【公式ビザセンターInterlink Service】普段自力でロシア大使館に行ってビザ取ってる個人旅行者がロシア公式ビザセンターを使ってみた話【無事ビザ取得】
【7/2追記】無事、下記の方法で問題なくビザ取得できました。
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2019年5月より、ロシア大使館の領事部・ビザ申請窓口が完全予約制になり、ロシアの公式ビザセンターInterlink Serviceという団体が登場しました。
Interlink Service 公式HP: https://interlinkservice.world/japan/jp
2019年7月中旬に2週間ほどサンクトペテルブルクに旅行することになり、最近やむをえない事情でこの団体を利用したのですが、結論から行ってとても誠実な公的団体だったのでレポートします。
私はいつも自分で大使館に出向いて申請しているのですが、これまでは予約という選択肢はなく、朝早く行って順番待ちするという極めて非効率的かつ平等な「早い者勝ち」方式でした。
なので、私のように平日の朝に都合がつく人間にとっては、だいたい渡航予定日の遅くとも3週間前くらいに動き始めれば、手数料無料で2週間後にはビザを取得でき、渡航日までに1週間ほど余裕を持ってパスポートを入手できる、という流れでした。
7/9に渡航予定だったので、そろそろ申請書を発行するか…と大使館HPにアクセスしたのが渡航26日前の6/13。すると事前予約をしていないロシア大使館への訪問者は受け入れないとのこと。
これ、てっきりビザ以外に用事がある人たちのことを指しているのかと思いきや、ビザ申請者も対象でした。警備上の理由なのかな?
そこで領事部のアポイントメント予約可能日を夜中の2時くらいにカレンダーで確認したところ…
6月の予約可能な白い日がもう1個もない!しかも7月以降のカレンダーは確認できない!
仕方なく、待機リストに入ります。
これ、空きが出たらメールをくれたりするシステムではなく、自分でちょくちょくサイトを訪れ、空きが無いかを確認しなければいけない方式。時間をおいて何回確認しても、枠が空いていない…。
(てことは、運よく最短でも7/1以降に申請?手数料めっちゃ取られるじゃん!最悪7月も予約でいっぱいだったらもうビザ間に合わないじゃん…もうこの公式ビザセンターを通じてじゃないと一般人はビザ申請ができないようになったんだな…大使館と癒着した手数料ビジネスなのか…)
飛行機のチケットをすでに取っていたので、目の前が真っ暗になりました…。
やむを得ず、公式ビザセンターへの訪問予約を入れます。すると一番早くて4日後6/17 9:15~の枠が空いていたので、すがる思いで予約をいれます。でもあくまで大使館ではなく公式ビザセンターの訪問予約なので、まだ安心はできません。ここから公式ビザセンターの人も初めて大使館の予約を取り始めるのかな…?
翌日6/14のお昼ごろ、もう一度大使館の予約カレンダーを見てみると、なんと6/21と6/26以降の日付が白くなっていて、予約可能になっているではありませんか。
6/21は予定があったので、迷わず6/26 9:51~に予約を入れます。予約の枠が分刻みなのがすごい。超合理的。ロシアっぽい。3分以上は割かないぞという強い意志を感じる。
でも、6/26に申請したとして、7/9の渡航日に間に合わせるには…
・3営業日以内10000円コースだと7/1には受け取れる。でも高い…
・4~5営業日4000円コースだと7/3には受け取れる。でも6~10営業日コースと値段が同じってことは、窓口の混雑状況次第で最悪10営業日になる可能性もありなのか??てことは7/10受け取りでアウト…
…みたいな脳内会議が繰り広げられ、結局、この際大使館手数料とは別に代行手数料取られてでも、渡航一週間前くらいには受け取れるようにすることを決意。万が一記載ミスなどで申請やり直しになっても、リベンジできるように日数に余裕を持って備えます。
とにかく一番早く大使館へ申請ができることを最優先に考え、公式ビザセンターと大使館、両方のアポイントメントをキープしつつ、先に公式ビザセンターに行って相談してみることにしました。
サイトの感じがどう見ても怪しいし、その割にはロシア大使館の公式HPにも掲載されててズブズブオフィシャル感あるし…
日ごろ大使館系の日露交流に携わっている知人に聞いたところ、大使館が主導で作ったビザ取得のサポートを行う部署で、仕事が大変だから有料(4000円くらい)で業務を行っているロシア人運営の団体、とのこと。
確かに表向きは、ビザ取得の合理化という建前を掲げてはいるようですが…どんな因縁をふっかけられてお金をぼったくられるか分からないし、お金を取られるだけ取られた挙句ろくに相談もさせてももらえない可能性もあるので、サポート等はあてにせず淡々と受理されるよう、普段自分で申請する際に持参する書類をすべて完璧に用意していきました。
・パスポート
・大使館のビザ電子申請書の出力
・バウチャーの出力
・裏にパスポートNoを書いた証明写真2枚
・航空券の予約確認書の出力
・ホテルの予約確認書の出力
・海外旅行保険証書の出力
大使館のビザ電子申請書類の申請先欄も、入力時に公式ビザセンターを選択して申請・出力。やっぱり自分で大使館に出向いたほうがよいと思ったらこの申請用紙は破棄し、再度、大使館を選びなおして再申請する作戦。
気もそぞろな土日を過ごした後、溜池山王にある公式ビザセンターに向かいます。銀座線溜池山王駅9番出口から徒歩5分程度の便利な立地にあり、普通のオフィスビルの1室にあります。大使館の、あの人を寄せ付けない雰囲気の鉄格子とは大違いです…。
表通りからみるとこんな感じ。フレンド薬局と溜池眼科医院に挟まれた入口から入り、赤坂アビタシオンビルの7階です。
裏通りから見るとこんな感じ。茶色いビル。裏口からも入れます。正式名称は、「Interlink Japan合同会社」のようです。
エレベーターに乗り、7Fへ。9:15のアポイントに間に合うよう、念には念を入れて8:55に7Fへ到着したのですが、すでに3名ほど並んでいました。みんなさすが…
9時オープンと看板には書いてありますが、われわれが並んでいる横を2名ほどのロシア人スタッフが出社していきました。割とオープン直前の駆け込み出社(笑)。ロシア人にしてはまじめ?!9:05ごろに、オフィスの中へ通されました。
中に入ると、銀行窓口のようなカウンターが並んでおり、ロシア人女性スタッフ3名が並んで座っていました。左から、テキパキしてそうな30代くらいのスタッフ、仕事がデキそうな30代くらいのスタッフ、新人さんっぽい感じの20代くらいのスタッフ。誰に当たるのかな…ドキドキ。
まずは9:00から予約を取っていた2名が先にカウンターへ。もう1人も私と同じ9:15からの予約だったので、待合席に腰掛け、順番を待ちます。待合席がカウンターの目の前なので、大使館のように表示番号を見逃し、順番を逃すこともありません。
そうこうしているうちに、順番が回ってきました。私の担当は一番左のテキパキお姉さん。やった!
私「シングルの観光ビザを1名分、お願いしたいのですが…実は私、6/26に個人で大使館のアポイントメントも取っているのですが、もしそれより早くビザを申請できるのであれば、御社にお願いしようと思っていまして…今日こちらでお願いすれば、何日後に受け取れますか??普段自分で申請しているのですが、大使館の予約が一番早くて6/26しか取れなくて…」
テキパキお姉さんスタッフ「弊社に依頼される場合、大使館に通常支払う窓口料金とは別に手数料として4500円かかります。ビザ受け取り希望日はいつですか?」
私「7/9が渡航日なので、念のため7/2か7/3には受け取っておきたいのですが…」
スタッフ「本日6/17にこちらで申請いただければ、7/2の午後からお受け取りいただけます。11営業日以降の受け取りですので大使館の窓口料金は無料で、私共への代行手数料4500円のみしかかかりません。」
(え?!ここで提出した翌日には大使館申請できるの?!やっぱ一般向けの予約枠とは別にルートを持ってるんだな…さすが公式…。)
私「あ、それは助かります!ぜひお願いします!」
スタッフ「では申請書類を確認させていただきます。」
1枚1枚すみやかに、しかし正確にチェックをしていくスタッフ。
スタッフ「確認いたしましたので、こちらで処理させていただきます。しかしながら、あくまでビザの許可が下りるかどうかの判断は大使館の特権事項ですので、ご了承ください。少なくとも、今見た限り書類上の不備等は見受けられませんでしたが…」
(なるほど。あくまで大使館員ではなく、サポート団体のスタッフだからね。そりゃそうだ。)
私「承知しました。」
近年、証明写真の基準が厳しくなっているとの記載を旅行会社のHP(http://www1.gyb.co.jp/pdf/russia_visa.pdf)で見たため、もし不可の場合は近所で撮影しなおせるよう、持参した証明写真を念のため申請書に貼らずに持っていきましたが、特に問題はなかったので、糊を借りてその場で申請書に貼り付けました。
スタッフが写真の顔の寸法を定規で測ったりなどは特にはしていませんでしたので、念のため事前に自分で寸法を測って、3.4~3.7cmをキープしている写真を用意しておくと安心かと思います。糊がとれた場合も考慮し、証明写真の裏にボールペンでパスポート番号も記入しておきました。
バウチャーに関しても、ロシアや日本の大手旅行会社に発行してもらうものではなく、空バウチャーという自分でネット上のフォームに入力し1500円くらいで発行してもらえるタイプのものだったのですが、問題なく受理されました。飛行機やホテルの予約確認書についてもノーチェックでした。
※空バウチャーについては、こちらのサイト様で最新情報の手順を丁寧に紹介されており、自己責任のもと、大いに参考にさせていただきました。KamiRa様、ありがとうございます!
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受け取りは大使館窓口ではなく、申請カウンター後ろのパスポート受け取りカウンターで受け取りができ、もしスタッフがいなかったらご遠慮なく申請カウンターのスタッフまでお声がけいただいて結構です、とのこと。親切…。
その他、郵送でパスポートを返送してくれるサービスが¥2000、SMSで受け取り可能の通知をくれるサービスが¥200だったので、SMS通知だけオプションをつけて、その日は¥4700をその場で支払って帰りました。現金払いとカード払いが選べたので、現金で払いました。
無事申請が受理されたので、別途予約を入れていた6/26の大使館のほうのアポイントメントはすみやかにキャンセル。キャンセル待ちの人が待っていると思うので。
それにしても、私、日本人が経営している民間のロシアビザ代行業者って利用したことがないからあんまりよく分からないんだけど、公式ビザセンターってかなり良心的な価格の部類に入るのでは…?大使館と違って、スタッフが笑顔で対応してくれる時点で軽く衝撃を受けたのですが…(笑)。
追加料金をふんだくってやろうとか、お金さえもらえばあとはテキトー、みたいな利益を追求するような印象は全くなかったです。本当に彼女たちの純粋な人件費なんだと思う。淡々と着実に業務をこなす感じ。手数料ビジネスとか疑ってごめん…。
もちろん、旅行までの日数に余裕があって、大使館の予約枠を自分で取れる場合は、自分で申請するのが一番安く、確実。ただ、私のように初動準備が遅れて大使館の訪問予約枠が取れなかった場合などは、一般とは異なるルートで大使館予約枠を持っている公式ビザセンターは、十分選択肢になりえるのかなと。
ただ、日本人が経営するビザ代行業者と違って全員ロシア人スタッフなので、もちろんみなさん日本語がすっごくお上手なのだけれど、複雑な事情を説明したり交渉したりする必要がある場合には若干不安感があるなというのが正直な印象です。それでもかなり親切だし日本語通じるけど…。
その場合は、少々お金を積んででも日本人スタッフのいる民間の代行業者に相談するのが安心かと思います。やっぱり老舗の代行業者とかって慣れてらっしゃると思うので…。
ただ、民間の旅行会社や代行業者も、大使館が団体申請を受け付けなくなって大変らしく、どこも軒並み料金が上がっている、との噂もあり悩ましいところです。公式ビザセンターのように一般とは別ルートの大使館予約枠を持っていない業者の場合は、むしろ公式ビザセンターに依頼したほうが、最も早く大使館へ申請ができるのかもしれません。予算・日数・個別の事情によって吟味されることをおすすめします。
もし私も万が一、記載ミスとかで7/2に無事ビザを入手できなかったら、腹をくくって相談に行こうと思います(涙)。お金ないけど…。
ロシアってほんと、何の前触れもなく急に制度が変わる上、救済措置っていう概念がないものだから、ダメなものはダメ、取りつく島もないイメージ。
初めて個人でビザ申請に行ったときも、ネットで情報発信されている方のアドバイスをたくさん参考にさせていただきました。
時期によって、訪問予約の取りやすさや手数料、スタッフのテンション(笑)など変動があるかもしれませんが、公式ビザセンターに関する体験記はまだまだ少ないので、自己責任の範囲にはなってしまいますが、この記事が一人でも多くのロシア渡航者のお役に立てれば幸いです。
とは言え、ここまでは一見順調に見えますが、どんなどんでん返しが待っているか分からないのがロシアなので…。
査証完了後、ビザが無事に取得できたら、引き続きレポートします!
Naru Marina